たまには本を読んでみよう!
2006年 07月 31日
わたしもたまには読書をします。
先日は、阿部公房の「箱男」を読みました。
作者の意図とは少し違うと思いますが、ちょっと一言・・・。
主人公の男は 覗き窓をつけたダンボール箱に身を包み生活をしています。
随分突飛な話だけど、ダンボール箱という鎧を着けることによって 「名前も肩書きも拒否した他人の視線に晒されることの無い匿名の存在」 になりえるという訳です。
そうして僅かな覗き穴から一方的に視線を拒否して視線を向ける・・・!
なんて都合がいいんだろう!少しでも写真をかじった事の有る人ならわかると思いますが、いい被写体(この場合は人物)に出会ってカメラを向けたくなっても、次に起こる相手からの拒否反応を想像して思いとどまる事ってありますよね。そんな時、自分の姿が見えなければどんなに便利だろうか・・・、などと勝手なことを考えてしまいます。
見られずに見る・・・。
それってネット社会に似てませんか?
パソコンを開きアクセスするだけで、誰でも簡単に箱男になれる!
液晶という覗き穴から一方的に視線を送る匿名の存在になれる!そうして自由に情報を見る・・・。
ブログやホームページも、顔を隠している以上或る意味見せることを意識した箱なのかも・・・。楽しい箱、素敵な箱、あけっぴろげな箱、露骨な箱、誘惑して罠にはめる箱(笑)etc・・・。
さて、これからこのブログをどんな箱にしていこうかな?
少なくとも正直な箱でありたいと・・・。
阿部公房さん、10年以上も前に亡くなられたあなたの作品 勝手な解釈してごめんなさい!
by mamaborie
| 2006-07-31 22:08
| 日々のこと